中山 藍

「「英語圏の大学院で、TESOL(英語教授法)を学びたい」と思ったことが、私の留学のきっかけでした。英語教師として高校で教鞭をとっていた私は、自分自身の力不足を痛感していました。毎日授業やその他業務をこなすだけで精いっぱいで、どんどん変化し続ける英語教育になかなかついていけない・・・。そんな葛藤を抱えながら、ある日「大学院 奨学金」と某サイトで検索したことが、全ての始まりでした。資料を取り寄せ、無我夢中でアレックスについて調べてみると、日本語を教えることで、奨学金がもらえるとのこと。恥ずかしながら、学生時代から国語が苦手だったこともあり、正直日本語を教えることに抵抗がありました。しかし、日本語を教えることが、今後の教員人生の糧になるのではないかと思い、アレックスの選考に挑戦する決意をしました。ミズーリ州セントルイスで行われた夏の研修では、素晴らしい先生方から言語教授法を学び、刺激的な毎日を過ごすことができました。様々なバックグラウンドをもつ仲間との出会い、10年振りの寮生活、デモ授業の準備、アクセント・イントネーションの追試(N先生、根気強く教えてくださり、ありがとうございました)、課題やテストの準備に追われる毎日・・・。本当に濃く、充実した7週間でした。派遣大学に行ってからも、アレックスの仲間には本当に支えられました。 私の派遣大学は、University of Mississippiでした。ミシシッピ州のオックスフォード(イギリスではありません)にある、フットボールで有名な州立大学です。フットボールの試合が行われる週末は、留学生にとって貴重な交通手段となるキャンパスシャトルが運行しなくなり、静かな町が一転して、フットボールファンで溢れかえります。また、ミシシッピ州には南北戦争の爪痕が残っており、当時の奴隷制度や公民権運動について、改めて深く考える機会となりました。私はTeaching Assistantとして、主に2年生のクラスを2年間担当しました。学生は皆、ひたむきで一生懸命で、その姿に何度助けられたかわかりません。日本語教師として未熟な私を「先生!」と呼んでくれ、困った時は頼ってくれたこと、本当に嬉しかったのを覚えています。オーラルテストの準備が間に合わなくて、夜一緒にGoogle driveを介して原稿を作ったこと、チュータリングやランゲージテーブルで、たくさん話をしたこと、「将来日本で仕事をしたい」と目を輝かせながら話をしてくれたこと、日本語の早口言葉を一緒に練習したこと、「~しなければいけない」という文がなかなか言えず、何回も練習したこと、授業中にみんなで大爆笑したこと・・・。私のミシシッピでの2年間は、ここでは書ききれないほど、学生との思い出で溢れています。アメリカの大学で日本語を教えることで、「教師」という仕事の魅力を再発見することができました。 大学院の授業では、「発言すること」に重きを置きました。学部生の授業と異なり、大学院の授業はほとんどが少人数生なので、積極的に授業に参加することが求められます。授業で扱う題材について、意見や考え、経験をクラスメートと共有することで、学びがさらに深いものになりました。学部生の時には書いたことがないレポートの量に驚愕しながらも、なんとか食らいつけた気がします。友人との出会いも、大学院での大きな収穫でした。現地のアメリカ人学生をはじめ、台湾、韓国、中国、ブラジル、トルコ、ロシア等、世界中に友人ができました。多種多様な人々に出会うことができるのも、アメリカ留学の醍醐味の一つだと思います。充実しながらも、時には辛い大学院生としての毎日を乗り越えることができたのは、言うまでもなく友人たちのおかげです。 選考段階から、アレックスのスタッフの皆様には大変お世話になりました。仕事を休職するための手続きが煩雑だったのですが、親身になって相談に乗ってくださり、留学を実現に導いてくださいました。この場をお借りして、御礼申し上げます。ここからが本番です。大学院留学で得たこと、学んだことを、日本の子供たちに還元したいと思います。この体験記を読んでくださっている皆さんも、アレックスの力を借りて、夢を叶えてみませんか?」

中山藍 (’17-19)

Previous
Previous

門田 英駿

Next
Next

向井 美沙希