日本語教育研修プログラム

こんにちは。Mikiです。今回のテーマはALLEXの夏の研修です。昨年は研修を受ける側として参加していた私ですが、今年はお手伝い役(?)として研修に潜入してまいりましたので、その様子をレポートいたしますね。

1.夏の研修って?

ALLEX参加者(以下、Ally)が渡米後まず受けることになるこの研修。Allyが充実した留学生活を送るためになくてなならないものなんです。ご存じのとおり(?)、Allyたちはホスト校で自分の勉強と日本語の授業を両立させ、自己実現しながらアメリカの日本語教育を盛り上げていくという一石二鳥の体験をすることになります。ただ、そのためにはそれ相応の準備が必要なわけで、この研修では未経験者でもすぐに日本語の授業を担当できるよう、著名な教授陣によって一から十まで実践的なトレーニングが行われます。私も去年この研修に参加するまでは、右も左もわからないこの国で本当に大学の授業を担当できるようになるのかと不安でしょうがなかったのですが、研修が始まってからは、これに食らいついていければなんとかなるかもしれないと思えるようになりました。それだけ、充実した内容なんです。

2.研修中の生活

今年も去年同様、ミズーリ州セントルイスのワシントン大学で研修が行われました。とても暑いこの街で行われる「アツい」研修の中身についてご紹介します。

(1)授業について

授業では、アメリカの大学の日本語の授業で、「何を」「どういう理念のもと」「どうやって」教えればいいのかについて学びます。まず、「何を」の部分。これは、いくら日本語が母語でペラペラ話せても、たとえば、日本語が母語じゃない人から「本はありません」と「本がありません」の「は」と「が」ってどうやって使い分けてるのと聞かれても即答するのは難しいですよね。ですが、日本語の授業をするには、こうした日本語の難しいポイントをおさえておく必要があります。そのために、日本語の文法や音のしくみ、つまり授業で「何を」教えればいいのかについて学ぶ授業があります。去年同様、今年も日本語の音のしくみを理解するのにみなさん苦労されているようで、単語をブツブツとつぶやきながら歩くAllyたちを見たり見なかったり…。それから、「どういう理念のもと」授業をするのかという問いに答えてくれる授業があるのですが、この授業は同じ研修を受けている中国語の先生の卵たちと一緒に受けることになります。台湾や大陸からやってきたAllyたちと共に受ける授業は、お互いに学び合える、とても貴重で刺激的な時間です。そして、Allyたちが最も多くの時間と労力を費やすのが「どうやって」教えるのかを学ぶ授業です。これこそ、ALLEXの夏の研修の特徴的な部分だといえるかもしれません。というのも、Allyたちの先生になるための修行と並行して、アメリカの学生たちが日本語を学ぶ集中講義が行われていて、その授業を現職の先生方と一緒に担当していくのです。そう!「模擬」授業ではなく、本物の授業を担当するわけです。というと少し気後れしてしまうかもしれませんが、大丈夫です。現職の先生方の授業を見学する機会があるのはもちろんのこと、自分の担当授業の前には、学生の指名の仕方、タイミング、授業の進め方、声のトーンにいたるまで、先生方が細かく指導してくださるので本当に身になります。先生方の授業の見学は本当に刺激的で、初日の授業見学の際に見たり感じたりした、目から鱗のテクニックの数々と知的興奮は今でも鮮明に記憶しています。今年も研修が始まる前に、Allyの方から「何も知識のない学生に日本語で授業するってまったく想像がつかないんですけど、できるようになるんですかね」と質問され、「初日の授業を見学したらわかります」とだけお伝えしたのですが、そんな質問をされていた方も気づけばしっかりと授業をこなされていて、見ているこちらも嬉しくなりました。実はその裏には汗と涙の(?)練習があるんです。去年も同期たちとお互いの部屋で学生役をしながら練習していたのを思い出します。こうした生活の中で得たネットワークというのは本当にありがたいもので、ホスト校に行ってからも、何度となく助けられました。みなさんも是非、この研修で一生ものの出会いをしてくださいね。

(2)セントルイスライフ

授業の話だけ書くと大変そうなイメージですが、きちんとお楽しみもありますのでご安心を。プログラムの中でも、定期的に先生方や他のAllyたちと交流できるハッピーアワーが行われたり、ダウンタウンツアーに行ったりする機会がある他、同じ寮に住んでいる同期のAllyたちとセントルイスライフを満喫することができます。今年同様、去年も寮の近くに(というか真下に)アジア系のスーパーがあっため、そこで材料を調達してきて、ルームメイトの中国人とお互いの料理をシェアし合ったり、日本人の同期と有名なアイスクリーム屋さんに行ったりしたのはとてもいい思い出です。同期の中には、バドワイザーの工場見学に行って、できたてのビールを試飲したり、メジャーリーグ観戦に繰り出していた方もいました。

またまた長くなってしまいましたが、夏の研修の様子はこんなところでしょうか。以上、灼熱のセントルイスより、Mikiでした。

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